二兄弟二兵衛。


どうしてあんなにも似ていないのか。


竹中半兵衛は心底不思議に思った。
もう何度目か。
やっぱり不思議だった。
父が違うというが、それだけでこんなにも違うとは。



半兵衛は少し離れたところで、楽しそうに会話をしている兄弟を眺めていた。
おっとりと微笑んでいる弟を、兄は何の話をしているのか、軽快に飛び跳ねては豪快に笑い、ぱしぱしと秀長の体を叩いていた。

「どうなされた、半兵衛殿」
ひょこっと半兵衛の視界に、官兵衛が入ってきた。
「これはこれは、官兵衛殿」
くすりと半兵衛は手を口元に当てて微笑んだ。
官兵衛は一瞬疑問を浮かべたが、半兵衛が話し出した。
「殿と、小一郎を観察していたのです」
なるほど、と官兵衛は頷くと後ろを振り返った。
「よいご兄弟だ」
「そうですな」
秀吉と秀長は二人してけらけら笑っていた。


「官兵衛殿」
「はい?」
半兵衛に向き直った官兵衛は、その真剣な顔つきに驚いた。
「貴方先ほどまで、なにをしていましたか」
「な、なにをと言われましても」
「まさか、居眠りをしていたわけではありませんよね」
「そんなことは・・・!」
「ない、ですよね」
「あるはずがなかろうっ」
あたふたとする様子に、また半兵衛はくすりと笑った。
「嘘が、お下手なことで」
「!」



名を呼ぶ声を後にして、ゆっくりと羽柴兄弟のもとへ歩いていく。
秀吉が彼に気づいて、手をぶんぶん振っていた。
そんな半兵衛に、官兵衛は肩を落とした。


短い髪が、ぴょこんぴょこんと、重力に逆らって立っていた。











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反転で呟き。
簡易関係図的な。
2008.4.27